社会課題の構造的な解決を目指す「SIIFICウェルネスファンド」 ケーススタディ

SIIFが設立したウェルネス領域のインパクト投資ファンド。「共に学び、自ら行動し、皆でより善く生きる」

インパクト投資

「SIIFICウェルネスファンド」は、ウェルネス領域の社会課題の構造的な解決をめざす外部投資家参加型インパクト投資ファンドとして、SIIFとSIIFインパクトキャピタルの協働により設立されました。
ウェルネスは、より良く生きようとする生活態度です。高齢化最先進国の日本においては、「量」の健康(寿命の延長)から「質」の健康(活動、意思決定、ライフスタイル)を自分ごととして取り組める社会へのシフト、即ち、ウェルネスパラダイムへのシフトが大切です
高いウェルネス・リテラシーを持つ人は、自ら健康情報にアクセスし、評価し、自己の健康に関して適切に意思決定し、より善く生きるための行動を取ることができます。豊かなソーシャル・キャピタルを持つ人は、家族や友人、地域社会などのネットワークからのサポートを受けることができ、健康情報やリソースへのアクセスが容易になります。さらに、情報の信頼性や有用性を確認するために、社会的ネットワークを利用することもできます。
ウェルネス・リテラシーとソーシャル・キャピタルは相互に補完し合う関係にあり、高いウェルネス・リテラシーと豊かなソーシャル・キャピタルは、一人ひとりがより善く生きようとするための重要な要素であると考えます。
長期的に創出をめざす社会的な変化(インパクト)を「誰もがより善く生きられる社会」と定め、投資先を通じて、ウェルネス・リテラシーの向上とソーシャル・キャピタルの充実をめざします。

■SIIFが目指していること

インパクト投資残高は、2022年世界で1兆1,640億ドル、国内で5兆8,480億円と確認され、急激に増える傾向にあり、多様なプレーヤーの参画が進んでいます。
一方、国内では、インパクト投資やインパクト測定・マネジメント(IMM)を実践できる人材が少なく、大きな課題となっています。 そこでSIIFでは、これまで蓄積してきた知見に基づき、社会課題の構造的な解決を目指すインパクト投資・IMMを実践し、その実例や知見を公開・発信、人材を育成・輩出することを目指します。

■SIIFインパクトキャピタル(SIIFIC)の設立
~インパクト投資を通じ善なる資金で真の社会変革を起こす~

2022年9月、インパクト投資という「手法」を普及し資金の量を増やすことにとどまらず、その手法を通じて実際に「社会課題の構造的な解決(システムチェンジ)」を誘発する取り組みのひとつとして、SIIFインパクトキャピタル株式会社(SIIFIC)を設立しました。

■SIIFICウェルネスファンド組成の背景
~人々はより幸せになり、地球と社会の持続可能性は高まっているのだろうか?~

社会課題をとらえる際、見えている表面的な課題だけに目を向けるのではなく、水面下にある、社会の一部となった複雑な「問題」の根本的な原因にアプローチし、社会構造自体の変革を行う必要があります。 コロナ禍、少子高齢化だけでなく、所得や地域による健康格差の問題など、日本社会が抱えている様々な潜在的問題が一気に顕在化しました。
医療・介護の制度や産業の構造転換だけでなく、 身体的・精神的・社会的な健康から誰も取り残さないように、個々人の認識や相互扶助のあり方の変化を同時に促すような取組みが必要です。
SIIFICウェルネスファンドは、世界最速で超少子高齢化に突入する日本が向き合う社会課題の構造的な解決を目指し、多様なプレーヤーとの協業や共創を通じたインパクト投資を推進します。

■ファンド組成までの開発プロセス

SIIFICウェルネスファンドを組成するに際して、インパクト投資ファンドとしての戦略について検討し開発するプロセスを踏みました。

①SIIFで、ヘルスケア領域の課題構造分析をおこないビジョンペーパーを作成しました。
②長期的に創出を目指す社会的な変化(インパクト)を「誰もがより善く生きられる社会」と定め、実現するための変化の理論(セオリー・オブ・チェンジ)について、時間をかけて検討・作成しました。
③セオリー・オブ・チェンジから、SIIFICウェルネスファンドの投資テーマを定めました。
④ファンドとして追求すべき社会的変化をみる上での指標(インパクトKPI)を特定し、投資を進めています。

出資先紹介

ジェイファーマ株式会社

ジェイファーマは近年、創薬標的として注目されているアミノ酸トランスポーター、LAT1阻害薬の治験を世界で唯一、実施しているスタートアップです。「たとえ、末期がん患者であっても、最後まで希望を与え続けられる医療体制を構築しなければならない」という創業者の理念の元、副作用の少ない抗がん薬となることを目指して、まだ、有効な治療法の少ない胆道がんに対して最終段階の臨床試験を進めています。

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